好きな子が教室にいたとする。彼女とはほとんど話した事がない。だが何故かよく目が合う。授業中、僕が念じれば彼女は決まって振り返る。これはもしかして彼女と僕は両想いなのかもしれない。もしくは僕は超能力者。この間の試験だって選択問題は全部あっていた。

好きな子がいれば、妄想が働くものである。脳はあらゆる可能性を探って、好きな子との幸せの瞬間を想像する。ヒーローになって彼女を魔の手から救い出し、そのまま二人でこのまま手を取って逃げる。 格差社会、不況、政治の腐敗、戦争、地球環境問題、闇だらけの世界から逃げ出す。それは許されない事だとしても想像せずにはいられない。